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山になった鯨

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”山になった鯨”の解説・説明

北海道のフンべ山を舞台にした「やまになったくじら」。

演出:漉田實 文芸:漉田實 美術:田中静恵 作画:前田実
ナレーション 市原悦子
出典 松谷みよ子(講談社刊)より

タグ:北海道

あらすじ

昔ある海に「しょきな」という超巨大な鯨が住み着いていた。頭は雲に隠れ、腹は海の底をけずっていたという巨大さだった。このしょきな、漁をしている人間の船を見つけては沈めるという悪さをするので人間達は困っていた。

そこで天地を司る神々にしょきな退治をお願いした。神々は人間達を哀れに思ったが、皆しょきなを恐れて色々理由をつけて行きたがらない。それを見ていたカワウソの神が笑い、お望みとあらばいつでもと、剣を一本持ってしょきな退治に出かけた。

しょきなは最初相手にもしないが、カワウソの神が耳もとでごちゃごちゃ妙な呪文を唱えるのでうっとおしくなり、カワウソの神を追い掛け始めた。カワウソの神は最初しょきなをからかってあっちこっち逃げ回っていたが、そろそろ退治してやろうと、山の神に向かって叫んだ。「誰か剣を貸してくれー!」なんとカワウソの神は腰に剣をぶらさげているのを忘れていたのだ。

しょきなはさらに追い掛けてきてカワウソの神はあせった。するとある山の神がカワウソの神に「腰に剣がぶらさがっているじゃないか」と笑って教えてやった。カワウソの神はそれを聞いてやっと剣のことを思い出し、追い掛けてきたしょきなに「ストップ!」と言った。

しょきなが止まるとカワウソの神は剣を抜き、一気にしょきなをまっぷたつにした。頭は剣のことを思い出させてくれた山の神にお礼に置いていき、それが山になった。しっぽの方はカワウソの神がどこかに引っ張っていったそうだが、それもどこかに忘れてきたらしい。

人々はカワウソの神の物忘れが移らないように、頭に縄を巻くそうだ。今日もカワウソの神は剣を探してあちこち叫んで回っているらしい。

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